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中澤佑二は速度勝負になぜ勝てるか。
ハイライン守備で光る「コンマ何秒」。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2018/03/30 16:30

中澤佑二は速度勝負になぜ勝てるか。ハイライン守備で光る「コンマ何秒」。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

中澤佑二にスピードのイメージはない。しかし、読みと統率力で早くもハイラインに適応しつつある。鉄人恐るべしである。

ユーモアたっぷりの“あいうえお作文”。

 初勝利が懸かった浦和戦は、最終ラインの4人のうち3人がイエローカードをもらった。周囲を落ち着かせるように、彼は努めて冷静に対処しようとしていた。

 監督が目指すものに、どう応えていくか。

 中澤は日本代表でもマリノスでも、常に応えようとしてきた。オシムジャパンで果敢な攻撃参加も見せたことも然り。40歳にして自分の可能性を広げている。

 彼は言う。

「まずは監督が言うことに対して全力で取り組むしかない。(ハイラインは)確かに怖い部分もあるし、今までやってきたこととは違う。たとえ無意識の状態でも、今のやり方が自然とできるように頭と体をしっかり合わせていくしかないし、そこまでやらないといけない。このサッカーは走らないとできない。40歳になっても走れるなというのはありますよ。毎日、全力で練習して、試合ではできること、やれることを100%やる。それしかないと僕は思っていますけどね」

 いつも思うことだが、彼の答えは実にシンプルだ。

 今季キャプテンに復帰した際、ユーモアたっぷりに“あいうえお作文”で決意を表現している。

キ 気炎万丈
ャ やるしかない
プ プロ生活20周年
テ 天下獲ります
ン ンフフフフ

 ミスマッチどころかベストマッチ。周囲の見立てを覆しているのは、まさに「ンフフフフ」だ。

 炎が燃え上がるほどの意気込み、気炎万丈の中澤佑二をどうぞご堪能あれ――。

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