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男女格差問題が米国で沸騰中!
スポーツの世界でも完全に平等か?
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byGetty Images
posted2018/03/29 16:30
2015年の女子サッカーW杯優勝および2回の五輪金メダルを誇る女子サッカーの“レジェンド”アビー・ワンバック。
サッカーW杯の賞金は男女で19倍差。
今夏のロシアワールドカップの優勝チームの賞金は3800万ドル(約39億円)だ。
出場する全チームに800万ドル(約8億3000万円)が与えられる予定だか、2015年の女子ワールドカップの優勝チームの賞金は200万ドル(約2億円)、出場チームへの賞金は10万ドル(約1000万円)と桁違いの格差となっている。
アメリカの女子サッカー代表チームのキャプテンを務めたこともあるアビー・ワンバックが「女子は人工芝のスタジアムでプレー、賞金も少ない。待遇を改善してほしい」とFIFAに訴える気持ちも理解出来る。
彼女たちのプレーは男子に比べれば劣るかもしれないけれど、競技の振興という点で担っている役割はとても大きいはずだ。
日本のゴルフ界は男女逆転現象が?
世界的にはゴルフも格差が大きく、アメリカを中心とした女子選手たちが賞金格差の是正やトーナメント数の増加を訴えているけれど、なかなか厳しい状況だ。
しかし日本の場合は女子ゴルフの方が人気が高く、試合数も賞金総額も男子よりも多いというのは……世界的に見て、とても稀なケースだろう。
日本は中学や高校でスポーツ活動をしていても、大学に入ると辞めてしまうケースが多い。本人のやる気なども関係してくると思うけれど、環境が揃っていないことも影響しているはずだ。
日本では来年度中に、アメリカのような大学スポーツの振興を目的とした「日本版NCAA」が創設されることになっている。アメリカのすべてを真似るのは難しく、また構築には時間がかかると思うが、女子スポーツの振興、そして男女平等という点にもぜひ力を注いでほしい。