ミックスゾーンの行間BACK NUMBER
悩める日本代表にPDCAサイクルを。
原口が、大迫が、本田が鳴らす警鐘。
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byGetty Images
posted2018/03/27 11:30
停滞感が漂う日本代表。戦術や戦略を定める際のプロセスに着目してもいいのではないか。
監督の求める大枠と選手の自主性を。
ハリルホジッチ監督は球際で激しく守り、縦に速く攻めるといった大枠の戦い方、また対戦相手の分析情報をチームに授けている。ただその一方で、選手がピッチでプレーするための細かな戦術は構築できていない。
ならばブラジル戦からベルギー戦の間と同じく、監督が求める大枠内でプレーしつつも、選手たち自身でも戦い方を形作ってはどうか。その意識を強めなければ、W杯での躍進は厳しいだろう。
さらに言えば、マリ戦のような試合では、実際に90分間の中でも選手たちが戦い方を判断、選別をする必要があった。
個人戦術の質が問われていると言えばそれまでだろうが、戦術理解度などには個々で差がある。だからこそ、すでに深く理解しているプレーヤーが、もっと自主性を持って選択、判断していかなければならない。
ピッチでプレーする選手がイニシアチブを握る。日本の選手に欠けている部分だ。
「やっぱりハイプレスばかりじゃなく、ラインを低くしてしっかり相手に対応する場面も作らないといけない。まあ、僕らはもっと話さないといけないですね、試合中にも」
原口は自戒と警鐘を鳴らす意味を込めて、こう話した。
「監督のせいにしてはいけない」(大迫)
さらに最前線で孤軍奮闘している大迫勇也も、意見を同じくする。
「今は悩みながら、考えながらプレーしている選手が多い。そこが一番の問題。もっとスムーズにできれば変わってくる。監督がメンバーや戦術を決めるもの。でもその中でプレーするのは自分たちなわけだから、(戦い方の)判断も自分ですべき。そこは監督のせいにしてはいけない。だから、やっぱりたくさん話すことが大事だと思います」
そして、日本代表に約半年ぶりに参戦している本田圭佑である。
'10年南アフリカW杯では大会前の低迷から大会中の躍進、'14年ブラジルW杯では大きな期待感に包まれていた大会前と、その後の惨敗劇を経験している。