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就任3年目でVリーグファイナルに。
吉原知子監督の厳しさでJTが変貌!
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2018/03/20 10:30
2015年6月に監督就任後、V・チャレンジリーグIで優勝し、V・プレミアリーグに昇格。昨季は4位、今季は2位と着実に力を付けている。
「いい経験だけで終わっちゃいけない」
就任1年目でV・プレミアリーグ復帰を果たし、2年目の昨シーズンは4位。着実にステップアップを遂げ、迎えた勝負のシーズン。それが就任3年目の今季だった。
レギュラーラウンド無敗で独走した久光製薬に次いで2位、ファイナル6ではその久光製薬に黒星をつけ、1位でファイナルに進出。結果だけを見れば、「躍進の年」と見られて当然なのだが、台所事情は異なる。
開幕当初はケガ人が相次ぎ14名のベンチ入り選手すら揃わず、12名で臨んだ試合も一度や二度ではなかった。さらに、ファイナル6進出を決めた後の3レグは連敗が続き、これでファイナルラウンドに臨めるのかと不安を抱いたのも事実だ。
だが、いかなる状況にあろうと「何が何でも日本一になる」と掲げたシーズンに、ファイナルまで勝ち進んできたこと。そして、敗れたとはいえその場で経験したこと。すべては、これからへつながる糧になると吉原は言う。
「どういう時でも冷静に、平常心でプレーできるか。プレッシャーがかかろうとスキルもどれだけキープできるか、冷静な判断ができるか。それがすごく大事なことだと、この経験でわかったと思います。いろんな意味でいい経験ができたと思うので、だからこそ、いい経験だけで終わっちゃいけない。この経験を何が何でも来年につなげて、優勝を取りに行きたいです」
目指す頂への道のりは決して容易いものではない。でも、だからこそ面白い。
まだまだ、始まったばかり。すべての経験がつながり、花開くのはこれからだ。