バレーボールPRESSBACK NUMBER
就任3年目でVリーグファイナルに。
吉原知子監督の厳しさでJTが変貌!
posted2018/03/20 10:30
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
YUTAKA/AFLO SPORT
監督として臨む、初めてのV・プレミアリーグ女子ファイナル。
「選手の頃に10回以上経験したけれど、それでも毎回緊張しました。監督になると違いますね。自分ができることは、選手に『頑張れ』とか『いつも通り』と念を送ることぐらいですから」
JTマーヴェラス監督、吉原知子が就任3シーズン目でたどり着いた、ファイナルの舞台。2011-'12シーズン以降、7季連続でファイナル進出を果たしてきた久光製薬スプリングスの選手が「経験」という武器を持つ中、JTの選手でファイナル経験者はわずかに2人だった。
2週に分けて2戦を戦うファイナル。初戦では差が歴然と現れ、試合開始直後の第1セット、3-10の時点で吉原は二度のタイムを使い切った。
「これは行ける、という雰囲気の時と、早めに取らないとダダダダっと行かれてしまう雰囲気、毎日選手を見ているのでそこはわかっているつもりです。かなりガチガチで、緊張というよりも上がっているような状態だったので、どこかで我に返ってほしいな、と。少しでも早い段階で地に足がつくように。それも想定内でしたが、経験の差がもろに出た試合でした」
勝つことの難しさをどう伝えていくか。
試合中のベンチでも、試合後の記者会見時も常に表情は変わらない。シーズンを通して築き上げてきたスタイル、プレーが発揮できず決勝で敗れた悔しさを噛みしめながら、選手時代と監督として迎えたファイナルの違いを問われると、ふーっと息を吐き、少し笑みを浮かべた。
「捉え方は難しいですけど、勝つことに対してどちらが簡単か、と言われたら選手時代のほうが簡単だった気がします。指導する立場になって、選手に伝えること、勝つことがいかに難しいかをどう伝えていくか。まだまだ勉強不足だとすごく感じます」