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「10年後に会おう」と約束した年、
北京五輪戦士達がロシアW杯に挑む。
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph byGetty Images
posted2018/03/20 07:00
本田圭佑、長友佑都、香川真司……10年前の北京五輪から戦ったメンバーたち。彼らはロシアのピッチに立てるか。
「10年経っても『一人前の選手』で」
3カ月後のW杯ロシア大会は、現実的に考えれば、多くの北京五輪世代の選手にとって最後の大会になる。選手たちもその覚悟でピッチに立つはずだ。
「頑張ってほしい、彼らには。それに長くサッカーを続けてほしい。W杯で日本に貢献してくれれば、もっと良いな」
と、反町はエールを送る。
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北京五輪の最後のミーティングで、反町は18人の選手たちと1つの約束を交わしていたという。
「日本でも、海外でも、どのカテゴリーかは問わない。10年経っても『一人前の選手』でいてほしい。10年後、また会おう。できれば、みんなでサッカーの試合をできたらいいな」
いろいろな企みを計算して話す反町だ。10年後が、W杯イヤーであることを踏まえて、そう言っていたのだろう。もちろん誰がどこでどのように活躍し、反町が松本で7年目の指揮を執っていることなど想像もしていなかったに違いないが。
10年ぶりの再会が実現すれば、どのような話をするのだろう。リスク上等とばかりに、活路を見出そうと突き進んできた彼らだ。少し大人になったとはいえ、これまでの10年を振り返るより、ここからの10年について語り合うのではないか。もしかすると、そろそろ反町が1人ぐらい松本にスカウトするかもしれない……。
ロシアでの戦いが、また1つ彼らの転機になる。