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藤澤五月「誇りをもって氷の上に」
カーリング女子、喜びはまだ先に!
posted2018/02/22 18:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Naoya Sanuki/JMPA
また1つ、歴史を塗り替えた。
2月21日、カーリング女子の予選ラウンドが終了し、カーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ(LS)北見」は、準決勝進出を決めた。
過去、男女を通じ、最高成績はソチ五輪に出場した女子の4勝5敗、5位である。
今大会で日本は5勝をあげて最多勝利を更新し、さらにベスト4以上が確定したことで、最高順位もまた更新することになった。
ただ選手たちは喜びを見せない。スキップの藤澤五月は言う。
「自分たちで勝ち取ったセミファイナルというより、ラッキーなセミファイナルなので」
この日、日本は最終戦でスイスと戦った。今大会は調子の上がらなかったスイスだが、2014~16年の世界選手権を3連覇するなど、屈指の強豪だ。
序盤からスイスのショットの精度の高さが際立ち、本来の力を取り戻している感があった。一方の日本は、少しずつショットがずれることで、思ったような組み立てができない。
また、スイスは立ち上がりからコーナーガードを置かないでハウスの中に入れ、クリーンな展開を志向した。対する日本は「私たちから攻めのかたちを作ろうと」(藤澤)、仕掛けていったが、ショットの精度の差からハウスにはスイスのストーンがたまり、苦しい展開を強いられた。
「疲れもたまってきていると思う」
第4エンドに4失点して試合の流れを持って行かれ、第9エンドに1失点して4-8となったところでコンシード(相手の勝利を認めること)、敗戦となった。
4失点の場面を、セカンドの鈴木夕湖はこう振り返った。
「きれいに4点取られてしまいました。そこは相手がうまかったのと、私たちも決め切れなかったです」
小野寺亮二コーチは敗因をこう捉える。
「疲れもたまってきていると思います。また、昨日(6-8で敗れたイギリス戦)あたりから、(準決勝進出を)意識し始めているような感じもありましたね」
オリンピック経験者が2名いるとはいえ、チームとしては初出場。1戦1戦重ねる中での疲労などの要因が、精度に影響したのかもしれない。