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「フォルティウスは自分たちだけのものでは」悲願の五輪に涙…“カーリング娘”人気から紆余曲折の20年「一緒にやろう」北海道→愛知に足を運んだことも
posted2026/02/12 06:00
念願の五輪の舞台に立つカーリング女子日本代表のフォルティウス。彼女たちの関係性とはどのようなものだろうか
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石川仁美(Number編集部)Hitomi Ishikawa
photograph by
JCA
五輪決定の瞬間「緊張が一気に解けて」
カーリングのミラノ・コルティナ五輪世界最終予選。あと1勝で五輪というノルウェー戦、女子日本代表・フォルティウスのスキップ、吉村紗也香は「最後はドローを投げる準備をしていた」という。しかし、5-5の同点で迎えた第10エンド、ノルウェースキップの最終投は狙いが外れてフォルティウスの赤い石にチップした。ノルウェーのストーンはナンバーワンに届かず、勝利の女神は日本に微笑んだ。
「決まった瞬間は緊張が一気に解けて、ほっとした気持ちと、喜びの感情がふわっと湧いてきた感じでした」
嬉し涙を流し、肩を抱き合う吉村ら5人。しばらくすると、フォルティウス創設メンバーである、現コーチ・船山弓枝とナショナルコーチ・小笠原歩の2人も加わった。運命に導かれるように集まった新旧メンバーが一丸となってつかんだ五輪切符は、フォルティウスにとっては大きな意味のあるものだった。
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幾度もの危機を乗り越えてきた過去があるからこそ――。
フォルティウスに詰まった“日本女子カーリングの歴史”
「自分たちが今、フォルティウスのメンバーとしてプレーさせてもらっていますけれど、フォルティウスっていうチームは自分たちだけのものではないので」
リードの近江谷杏菜がこう語るように、フォルティウスのバックボーンには日本女子カーリングの歴史が詰まっている。
チームの名付け親は2018年まで所属していた小笠原歩だ。02年ソルトレークシティ五輪から帰国して拠点を北海道から青森へと移した時、偶然目にした、オリンピックのモットーにある「より強く(フォルティウス)」という言葉に惹かれて命名した。
小笠原はこう振り返る。

