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錦織圭不在だからこそ観たい全豪OP。
昨季とは空気が一変している理由。 

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今田望未

今田望未Nozomi Imada

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photograph byAP/AFLO

posted2018/01/15 17:00

錦織圭不在だからこそ観たい全豪OP。昨季とは空気が一変している理由。<Number Web> photograph by AP/AFLO

26歳のディミトロフは昨季最終ランキングで3位。今季、その躍進がもっとも期待される選手である。

ついに、あのジョコビッチが戻ってくる!!

 昨年1位に返り咲いたナダルだったが、1位を確保するためにシーズン終盤戦で無理をした結果、ひざのけがで最終戦のATPファイナルズを途中棄権、2018年シーズンの始動が遅れていた。エキシビションでは元気に動く姿が見られたが、やや不安なシーズンの立ち上がりとなる。前人未到の全仏11勝目と、意外だが初めてとなる2年連続年間1位に向けても絶対に落とせない大会になる。

 昨年2位のフェデラーは前哨戦には出場せず、2017年同様エキシビションのホップマンカップに出場。シングルスでは4戦全勝となっており、早くも全豪の準備は万端のようだ。昨シーズンは苦手だったナダル相手に4連勝。36歳となった今シーズンもフィジカルに問題がなければ、優勝候補筆頭だろう。

 そしてキャリア最大の大けがからの復活を誓うジョコビッチも、全豪に間に合わせてきた。

 攻めてよし守ってよし、対戦相手がどこから手を付けていいかわからなくなるほどの圧倒的な強さが戻ってくれば、得意の全豪オープンで昨年のフェデラーのように一気に優勝してもおかしくはない。

 大荒れだった昨年ですらグランドスラム優勝はすべてBIG4が占めている。マレーの長期離脱が決まってしまったのは残念だが、今年もBIG4がグランドスラムでの主役になるだろう。

錦織圭に近い世代が躍進か。

 BIG4以外では、錦織圭に年齢が近い中堅世代が勢いを増してきている。

 昨年の全豪オープンでベスト4に進み、2017年最終ランキング3位に入った26歳のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)はその筆頭だ。

 昨シーズンは調子のいい時期と悪い時期がはっきりと分かれてしまったディミトロフ。初めてトップ10で迎えたシーズン開幕、まずはトップ選手として安定した結果を出したい。昨年の準決勝ではナダルとハイレベルなフルセットの死闘を演じ、勝っていても全くおかしくないほど充実したテニスを披露した。試される1年になるディミトロフは、幸先のいいスタートを切れるだろうか。

 その他初出場のATPファイナルズで決勝に進んだダビド・ゴファン(27歳/ベルギー)、安定して上位に位置し続けるドミニク・ティーム(24歳/オーストリア)、さらに今季開幕戦のブリスベンで優勝し地元オーストラリアで躍動しているニック・キリオス(22歳/オーストラリア)と、役者は揃っている。

【次ページ】 「ネクスト・ジェネレーション」の台頭はどうなるか?

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ドミニク・ティーム
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