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錦織圭不在だからこそ観たい全豪OP。
昨季とは空気が一変している理由。
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph byAP/AFLO
posted2018/01/15 17:00
26歳のディミトロフは昨季最終ランキングで3位。今季、その躍進がもっとも期待される選手である。
「ネクスト・ジェネレーション」の台頭はどうなるか?
そして昨年ATPツアーに新しい風を巻き起こしたのが、21歳以下の若手選手グループ「ネクストジェネレーション」だ。
ATPツアーはこれまでも錦織以下の世代を大きく広告するなどポストBIG4時代に向けてプロモーションを行っていたが、BIG4に跳ね返され続けることが続いてきた。しかしネクストジェネレーションの台頭で、一気にその動かざる岩が動き始めた。
ネクストジェネレーション世代筆頭にいるのが、昨シーズンいきなりマスターズ優勝を成し遂げ、最終ランキング4位まで駆け上がったアレクサンダー・ズベレフ(20歳/ドイツ)だ。
若いながらも完成されつつある総合的なテニスを展開し、シーズン中盤以降は話題の中心になることも多かった。ただズベレフには意外なデータがある。それはまだグランドスラムのベスト8に到達したことがないというものだ。
マスターズでの成績はすでに申し分ない領域まで近づいているが、ズベレフがここからさらに上を目指すためにはグランドスラムでの躍進が必要不可欠。総合力が試される5セットマッチは付け焼刃では突破できず、昨シーズンはフェルナンド・ベルダスコやミロシュ・ラオニッチといった実力者に敗れている。
若手の成長はすさまじく、勢力図激変の可能性も。
ネクストジェネレーション世代で見ても、グランドスラムベスト8に到達しているのはズベレフと同い年のアンドレイ・ルブレフ(20歳/ロシア)のみ。
次は誰が大舞台で風穴を開けるのか。
開幕戦から好調のオーストラリアの新鋭アレックス・デミノー(18歳)、昨年ナダルを破ったデニス・シャポバロフ(18歳/カナダ)、ジュニアランキング1位の経験もあるステファノス・チチパス(19歳/ギリシャ)など、次の主役候補はたくさんいる。
まだいきなり頂点まで行ってしまう選手は少ないが、若手選手の成長曲線はすさまじいものがある。1年後には若手の中での勢力図が激変していても全く不思議ではない。