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杉田祐一、全豪でトップ10に初勝利!
インタビューでの意外な告白とは。
posted2018/01/16 17:30
text by
生島洋介Yosuke Ikushima
photograph by
AFLO
激しい咆哮が物語る会心の勝利だった。
開幕した全豪オープンの初日、男子シングルス1回戦で杉田祐一が第8シードのジャック・ソックを6-1、7-6(4)、5-7、6-3で撃破した。トップ10プレーヤーからの初白星は、テンポの速いプレーで自らの持ち味を存分に発揮して得たもの。なかでも、華麗な攻撃あり、粘り強い守備ありでタイブレークを勝ち取った第2セットには、彼の魅力がつまっていた。
これで四大大会は、初勝利を記録した昨年のウインブルドンから3大会続けて初戦突破。2009年の初挑戦から17回連続で予選敗退し、本戦到達後も1回戦突破に3年を要したのがウソのような躍進ぶりだ。
「一気にドーンと飛び越しちゃった」ツアー初優勝。
昨年は7月のアンタルヤで日本人男子3人目となるツアー優勝を遂げ、その四大大会初勝利をはさんで、シンシナティのマスターズで初めてベスト8入り。
「もったいないですね(笑)。一気にドーンと飛び越しちゃったので、1つ1つやったぞというのがなかった」
と本人も言うほど、壁だったはずの何かを次々と乗り越えたシーズン。自己最高ランキングは日本人歴代2位の36位まで上げた。錦織圭という桁違いの前例がなければ、テニス界を越え日本中が沸いてもおかしくない活躍ぶりだ。
でも、なぜ今なのか。
デ杯代表として最年少勝利をマークするなど、杉田は早くからその才能は注目されていた。その後のあまりに長い足踏みの後、29歳はいかにして飛躍のシーズンを迎えたのか。昨季を振り返りつつ、今季の展望について語ってもらったNumber943号の杉田祐一インタビューは、意外な告白からスタートした。