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トッティ引退後のローマを大改革!
華より“汗をかけ”の兄貴分監督。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2018/01/12 17:00
ローマのエンブレムのもと指揮を執るディフランチェスコ監督。その熱血指導はロマニスタに希望を与える。
兄貴分として、ボスとしてロッカールームを掌握。
エースが不調なら他のFWたちが奮起すればいいが、昨夏の補強に総額8000万ユーロを費やしたシックとデフレル、ウンデルの3人は揃いも揃ってリーグ戦で不発。
ローマがナポリとユーベの2強に後半戦も食らいついていくためには、ジェコの再爆発が絶対に必要なのだ。
「今季は難しくなった。正直トッティやサラーがいてくれれば、とときどき思うことがある」とジェコが愚痴った際には、ディフランチェスコはすぐに彼を呼び出し、試合ごとの意義や戦術を説明、メンタルケアに努めた。
兄貴分として、ボスとして、今ローマのロッカールームを掌握するのは新監督ディフランチェスコであることは間違いない。
後半戦の初戦にあたる年明け6日の20節アタランタ戦に、ローマは1-2で敗れた。先月20日にはコッパイタリアのベスト16ラウンドでトリノ相手にやはり2失点し敗退している。
「運命は自らの手で変えることができる」
自慢の堅守と新生ローマはここまでが限界か。
「いつかCLで采配を振るってみたい。それが夢だ」
3年前の取材で、最後に「サッカーでの夢は?」と尋ねた。初めは「1日1日を大事に生きているから、目標は持たないようにしている」と模範的な言葉で濁されたが、どうも真実味がない。
「本当に?」と念押ししたら、ようやく「ハイレベルの舞台で自分の腕を試してみたい」と明かしてくれた。“サッスオーロでCLに出るのは到底不可能、つまり自分はいつか出ていく”と言っているも同然だから、最初は同席していた広報に気を遣っていたのだ。広報氏は苦笑していた。
「サッカーでは勝つことも負けることもある。大事なのは、そのいずれの結果でも受け入れ、次に繋げていくことだ。運命は自らの手で変えることができる」