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男子バスケ代表は五輪に出られるか。
ラマスHC「選手を限界に追い込む」。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byTetsuo Kashiwada
posted2018/01/08 11:30
試合中、コートサイドで熱く指揮を執るラマスHC。男子バスケ日本代表を変えるキーマンとなる。
私は他のチームのコピーを作るつもりはありません。
練習だけでなく、栄養、リカバリー、睡眠といった24時間のすべてを使って準備することをラマスは望んでいる。「それがプロの仕事というものです」。新しいHCは、選手たちに「バスケット・ファースト」の意識を植えつけ、この国におけるバスケットのカルチャーを変えようとしている。
「このプロジェクトは私個人のものではありません。日本のバスケットに関わる全員が共有できるものです。選手だけでなく、私を含めたスタッフも正しい準備を行わなくてはなりません。その上で、私の望みは日本代表の試合を見て何かを感じてもらい、代表のファンをひとりでも増やすことです。私は他のチームのコピーを作るつもりはありません。当然のことながら、アルゼンチンで作ってきたチームとは違うものになります。日本が持っている資産で、ベストのチームを作る。それが私の仕事です」
ラマスの熱量は相当なものだ。プロジェクトを動かすものは、人間の内面に宿っているという。
「全力を出し切るために必要なものはただひとつ、『情熱』です」
(Number936号『フリオ・ラマス「日本のバスケットで世界を驚かせたい。」』より)