藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER
藤田俊哉が見た期待の海外組5人。
小林祐、森岡、南野、堂安、奥川。
text by
藤田俊哉Toshiya Fujita
photograph byToshiya Fujita
posted2018/01/03 17:00
リーズでの業務に携わる傍ら、藤田氏は海外組のプレーにも目を光らせている。
対戦相手から「とても足が速くて上手い」の声が。
12月16日、小林のホームスタジアムでのプレーを見た。ボールロストが少なく、終始安定したプレーで中盤をコントロールしていた。まさにプレーメーカーといえる働きぶり。攻撃時の1対1の局面では、積極的にドリブル突破を仕掛け、チャンスメイクやシュートを何度も見せていた。左サイドからドリブルでエリア内に進入し、相手の股を抜いてシュートまでいったプレーでは会場を大きく沸かせた。
ボックスからボックスまでの広範囲で仕事ができるタフさもみせた。この試合で一番光るプレーヤーは小林だと感じたが、試合後には多くのサッカー関係者も彼のプレーを賞賛していた。対戦相手の選手も「とても足が速くて上手い日本人選手でビックリした」と私に伝えてくれたほどだ。オランダでの彼の評価は、確実に上昇していることを実感した。
試合後には彼とも話ができた。そこからは彼の自信を感じ、充実した頼もしい表情を見ることができた。このプレーを続けていれば、間違いなく活躍する場もステップアップできるだろう。すでにW杯アジア予選でベンチ入りしているが、安定感をアピールして日本代表に選出され、ロシアでもプレーしてもらいたい。
森岡はベルギーで得点に絡めるようになった。
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森岡亮太はポーランドからベルギーに移籍し大活躍を見せている。日本代表にも選出され、ブラジル戦で3年ぶりの代表出場を果たした。そんな彼のプレーは9月にベルギーリーグで見ることができた。
中盤での組み立てではワンタッチプレーで攻撃に変化をつけ、そこからペナルティーボックスに入って得点を狙う。そんな彼のプレーとプレースキックはチームの大きな力となっていた。彼のゴール、アシストから勝ち点を獲得している試合も多い。すでにサポーターにも愛され、チームに欠かせない選手となっている。ベルギーリーグでプレーのテンポを更にあげて行けば、得点力という魅力があるだけに早い段階で次のチャンスが来るだろう。
攻撃的MFとしての評価は「得点を決める、それに絡む力で決まる」というシンプルなことを彼は改めて証明してくれた。ぜひ2桁の得点とアシストを目指してもらいたい。ベルギーは選手育成面において、近年で一番成功を納めている国だと評価されている。多くの若手選手がベルギーで育ち、ヨーロッパの主要リーグで活躍している。森岡にも同じスタイルで新境地を開拓してもらいたい。