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サポーターを蹴り上げて出場停止!!
エブラとカントナ、その激情の世界。
text by
クリストフ・ラルシェChristophe Larcher
photograph byStephane Mantey - Action Images/Panoramic
posted2017/11/28 08:00
写真左がカントナの通称“カンフーキック”。右はエブラのハイキック。
ファンもメディアも……みんなカントナを愛し続けた。
'95年10月1日、カントナは永遠の支持者であるアレックス・ファーガソンに付き添われてリバプール戦のピッチに立ち、自らゴールも決めた。
'97年シーズン終了まで彼はマンUのユニフォームを着つづけ、チームにさらにふたつのリーグ優勝をもたらした。
カントナ伝説は、マンチェスターに今も根強く残っている。
「カモメ(メディア)が漁船(カントナ自身)の後を追いかけるのは、漁師たちがイワシ(事件ネタ)を海に投げ捨てるのを知っているからだ」という、カントナが事件の正式記者会見の際に語った言葉は、今日でも決して古びてはいない。
それはエブラにも同じシュールレアリスムの頂点に達するために、大きなインスピレーションを与えるだろう。
エブラもそこに到達するのは、十分に可能であるのだから。