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優勝お預けでも、鹿島の軸はブレず。
昌子「俺が決めてやる、じゃなくて」 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/11/27 17:00

優勝お預けでも、鹿島の軸はブレず。昌子「俺が決めてやる、じゃなくて」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

レアンドロが鹿島の攻撃にアクセントを加える存在なことは間違いない。しかし、昌子はこの日「フォア・ザ・自分」を感じとったのだろう。

「俺が決めてヒーローに」と思うと決まらない。

 自分の思いを素直に表現する昌子らしい直球勝負の挨拶。ただし捉え方によっては、この日のチームの戦いぶりへの不満にも聞こえる。だから、試合後の取材エリアで真意を尋ねた。

「あの挨拶の内容で、僕が何か言われるのは全然問題ないんで。だから、あえて言いました。とにかくチームが勝ってくれればいいんです。今日のように勝てば優勝が決まる試合ともなると、点を決めた人がヒーローになる。だけど、『俺が決めてヒーローになってやる』とか、そういう気持ちばかりだと勝てない。そういうときに限って入らないんですよ。いつもならフリーの選手にパスをしている選手が、強引に打ったりすると」

 昌子が具体例として挙げたのが、66分のプレーだった。ペナルティーエリア手前でパスを受けたレアンドロが、鋭い切り返しで4人の選手を次々とかわしてゴール前に進入。しかし、シュートの角度はわずかしかない。

 中央には、金崎夢生、土居聖真、遠藤康の3人がフリーで待っている。それでもレアンドロは左足シュートを選択し、GK中村航輔に弾き出された。

 セットプレーの好機も、有効に使えなかった。CKをゾーンで守る柏は、明らかにゴール前に飛び込んでくる鹿島の選手たちを捕まえ切れていなかったが、レオ・シルバのキックは何度もニアサイドの相手に跳ね返される。ショートコーナーや、ファーサイドに大きく振って折り返すなどの工夫もなく、13度ものCKのチャンスをフイにした。

「フォア・ザ・自分」を抑えてチームのために。

 大岩剛監督が「非常に良いゲームをした」と語ったとおり、悲観する内容ではない。三竿健斗のセカンドボールへの出足、レアンドロのプレスバック、相手センターバックとサイドバックの間でパスを引き出して起点になる金崎の動き出しなど、今季の鹿島の長所を象徴する場面は随所にあった。

 ところがフィニッシュの局面では、徹底的に相手の嫌がることを繰り返す、鹿島らしい効果的な判断ができなかった。昌子はそこに「フォア・ザ・チーム」ではなく、大一番での「フォア・ザ・自分」の意識を感じたというわけだ。

「とにかくチームが勝てばいい。変な話、ソガさん(GK曽ヶ端準)がゴールを決めてヒーローになってもいいんです。そういうことを伝えたかった。セレモニーでも言いましたけど、口で言うのは簡単なんで、ピッチで、それを見せられるように頑張ります」

 12月2日、ヤマハスタジアム。有言実行を目指す男の手に、優勝シャーレは戻ってくるか。

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