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何度でも立ち上がる男・村田修一は、
プロ野球界の『ロッキー』である!
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2017/11/27 07:00
東京ドームに残っていた25番の思い出。あと135本が残る、2000本安打も狙いたいところだが……。
まだできる、若い奴らには負けない……はずの松坂世代。
野球選手も、人生も先のことなんて分からない。
リストラなんて自分は絶対に大丈夫? そんなことはない。
誰だって歳は取る。
栄光の“松坂世代”屈指のスラッガーも12月で37歳。まだできる。若い奴らには負けない。それでも年齢を理由に切られてしまうことは多々ある。グラウンドでも合コンでも、時間の経過とともに減るチャンスの数。
これは他人事ではない。
俺ら自身の物語でもあるのだ。
村田修一は現代のロッキー・バルボアだ。
なぜ野球ファンはここまで村田修一に魅かれるのだろうか?
それはこの男が誰よりも共感できる濃厚な“ドラマ性”を持っているからだと思う。
巨人移籍後はフル出場を続けて、リーグV3に貢献しても物足りないとディスられ、素晴らしい結果を残したのに助っ人のマギーを獲得され、チームは若手のホープ岡本をパワープッシュしてくる。
常に逆風。
その度に肉体を武器にして己のバット一本で生き残ってきた。まるで殴られても殴られても立ち上がり、不屈の闘志でまた相手に向かって行くボクシング映画『ロッキー』である。
ちなみに村田の死球数150は現役最多だ。