ぶら野球BACK NUMBER
何度でも立ち上がる男・村田修一は、
プロ野球界の『ロッキー』である!
posted2017/11/27 07:00
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
24番高橋由伸、26番内海哲也……あれ、25番が飛ばされてる?
勤労感謝の日、巨人ファンフェスタが行われた東京ドームのグッズショップでは、「25番村田修一」の背番号キーホルダーや背番号入りリストバンドが、これまでの目立つ商品棚から外されていた。
本当に村田さんは巨人を去ってしまうんだな……。
あらためてムラタロスを噛みしめる厳しすぎる現実。
先日は、若手の岡本和真が来季は「38」から背番号25をつけるというニュースもあった。もちろん自分も数少ない和製大砲候補の岡本には活躍してほしい。けど、焦り過ぎだ。
一軍でしっかり結果を残してから、誰もが納得する形での番号継承では駄目だったのだろうか?
プロスポーツでは会社があまりにイチ選手をパワープッシュすると、ファンが乗り切れず逆に引いてしまうことが多々ある。誤解を恐れず書けば、今季一軍で打率.194、0本塁打と何もできなかった21歳野手に、そこまで過剰な期待をしなければならないくらい今の巨人は追い込まれているということだ。
巨人11年ぶりのBクラス。38年前と近いチーム状況。
11年ぶりのBクラスに終わった2017年の巨人のチーム状況は、5位に沈んだ1979年と似ている。
当時のオーダーを見ると柴田勲35歳、高田繁34歳、王貞治39歳とV9時代の主力陣が高齢化。長年エースを務めた31歳堀内恒夫もわずか4勝でリーグ5位の58勝62敗10分と低迷。まさに原政権のリーグV3時代を支えたベテランたちが軒並み衰え、チームとしてひとつのサイクルが終わった現在の状況と非常に近い。
43歳の青年監督・長嶋茂雄が20代のニューリーダー中畑清、新エース江川卓、ドラ1キャッチャー山倉和博を中心にチームの再構築に乗り出したところも、来年4月で43歳になる由伸監督のもと坂本勇人、菅野智之、小林誠司を軸に再スタートを切ろうとしている2017年と驚くほど同じである。
そして38年前のオフも、長嶋巨人連覇に貢献した主力打者の張本勲が打率.263、8本塁打という成績で静かに巨人を去った。