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阪神ドラ5谷川昌希はタフな成長株。
先輩・ロッテ有吉優樹からのエール。

posted2017/11/26 11:30

 
阪神ドラ5谷川昌希はタフな成長株。先輩・ロッテ有吉優樹からのエール。<Number Web> photograph by Kyodo News

1週間に6試合戦うプロの場では何試合も投げられるタフさは武器となる。谷川は甲子園のマウンドで持ち味を発揮できるか。

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永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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Kyodo News

 敗戦で落ち込む暇なんてどこにもなかった。

 社会人野球日本選手権の予選敗退から一夜が明けた9月7日。九州三菱自動車の谷川昌希は配属先のアリーナ太宰府店に出社し、普段どおり業務に励んでいた。

「うちの場合は社業が優先なので、(日本選手権予選が)終わってからすぐの5日間はずっと仕事をしていましたね」

 午前中は社業で、午後からが練習という社会人チームが大半の中で、九州三菱自動車は野球よりも社業が優先されている。

 練習は午前9時から始まって午前中に切り上げるのが基本であり、顧客から連絡が入れば、たとえ練習中でもユニフォームからスーツに着替えて社業に戻るのが当たり前となっている。当然、携帯電話は練習中も手放せない必需品だ。

 谷川も日本選手権九州予選に出場した分、社業における“5日間の遅れ”を取り戻すため、大会翌日から次々と顧客のもとを渡り歩いた。

5連投を経験し、引きずらないことを意識した。

 この秋、日本選手権九州地区予選では3完投を含む5連投を経験した。

 5連投目となった第2代表決定戦ではJR九州に0-1で敗れたが、谷川は8回1失点の力投で意地を見せた。

「(敗戦のショックは)意外とそんなに引きずらなかったですね。ただ、5連投は初めての経験だったので、そっちのきつさが大きかったですし、疲れが抜けるまで2日ほどかかりました(笑)。負けたその日は、もちろん悔しさもありましたけど、そこは気持ちを切り替えて、あとはJAPANでしっかり結果が残せるように、また頑張ろうと思いながらやってきました」

 6月に行われた都市対抗予選でも全6試合中5試合に登板して4完投。そのタフネスぶりが高く評価された。

 本戦でも前年度覇者のトヨタ自動車を相手に延長12回に及ぶ熱戦を一人で投げ切るなど、その男気溢れる投球は見る者の心に訴えかけるものだった。

【次ページ】 「有吉さんがいるから」からの脱却。

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