U-20W杯に出場するなど、3年目も経験を積んだが。

　飛躍の2年目を経て、さらなる高みを目指した3年目。背番号5を与えられ、クラブからの期待度も高かった。しかし、レベルアップを求めながらも、思い描いていた自分の姿に到達できなかった。中山は2017年の自身をそう分析した。

　その自己採点の厳しさは、マイナス思考さえ生んでしまっているようだった。

「きっと、伸びていないという目で見ている人のほうが多いと思います。直接言われたわけではないですけど、そう思われているんじゃないかって、感じています」

　周囲の期待に応えられなかったという懺悔の想いが、自身に十字架を背負わせてしまっているのかもしれない。

　もちろん、この1年が無意味なものだったとは思ってない。そのひとつがU-20ワールドカップに出場したことだ。

「あの大会に出て、いろんな経験を積めたことは自分のキャリアにとって良かったです。大会に臨む前は自分の力を証明しに行くという気持ちで意気込んでいましたけど、結果を見れば、まだまだ自分の実力が足りなかったと感じることができましたし、またレベルアップしなければいけないというふうに思わされたことは、良かったなと思います」

「思い描く理想の姿」と「現状の自分」のギャップ。

　そう前向きに捉えられた一方で、結局、中山の思考は、自身の無力さにたどり着く。

「そう感じたのに、そこから成長しているかと言えば、そうはなっていない。成長スピードは去年に比べればはるかに遅いですし、自分が目指すところに対して、まだまだ時間がかかっているなと思っています」

　どこまでも自分に厳しい男である。「思い描く理想の姿」と「現状の自分」のギャップに、中山は思い悩んでいるようだった。

　2017年の戦いも、残り3試合となった。中山にとって幸運だったのは、ACL出場という確かなモチベーションがあることだ。現在柏は、出場圏内となる3位のセレッソ大阪と2ポイント差の4位につけている。もっともここ4試合は勝利を得られず、足踏み状態にある。

「攻撃陣に関してはしっかりと点が取れているので、問題は後ろにあると思ってます。去年よりも失点の数は減ったものの、大事な時間帯で失うことが増えているので、残り試合はその課題をしっかりと改善していきたい」

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