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20歳で柏の主力も「すべてダメ」。
中山雄太がもがく、理想像との差。
posted2017/11/18 07:00
text by
原山裕平Yuhei Harayama
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
ユースから昇格して3年目。CBという経験が求められるポジションで、若くしてレギュラーの座を完全にものにし、シーズンを通して安定したパフォーマンスを示す。チームは一時期、リーグ優勝争いに絡み、残り3試合となった時点でACL出場権獲得の可能性を残している。
U-20日本代表にも名を連ね、5月に行われたU-20ワールドカップでは全試合にフル出場。大会途中からはキャプテンマークを付けて、ベスト16入りに貢献した。
20歳の若手プレーヤーにとっては十分に手応えをつかんだシーズンだった、と想像する。しかし、中山雄太の表情は冴えなかった。
「なんて言うんですかね。比較的、去年は飛躍というか、劇的に自分の状況が変わったのに対して、今年はさほど変わってないなというのが、正直な感想です」
中谷、中村とのトリオは若き柏の象徴に。
劇的に状況が変わったという昨季、中山はユース時代の恩師である下平隆宏監督がチームを率いるようになると出場機会を手にし、そのままCBのレギュラーに定着した。冷静沈着な守備対応と、左足から放たれる正確なフィード。181センチとCBとしては小柄ながら、打点の高いヘッドを武器に、すぐさまチームに欠かせない存在へと成長を遂げた。1つ上の中谷進之介とCBのコンビを組み、2つ年上のGK中村航輔を含めた3人は若き柏レイソルの象徴となった。
確かにインパクトでは、昨季には及ばないかもしれない。しかし今季は開幕からスタメンの座を明け渡さず、柏の躍進に貢献。優勝争いに絡んだチームを後方から支え続けた。試合を重ねる中で経験を積み、監督やチームメイトからの信頼も勝ち取っているはずだ。それでも中山は、首をかしげる。
「すべてに関してダメですね。攻撃面に特長があると言われますけど、去年とさほど変わってないですし、守備に関しても去年できていなかったことが見えたのに、今年はそこを克服しきれていない。確かにチームとしての失点は減っていますが、個人としては去年から成長できていないと思うんです」