欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
CL、バイエルン戦と連続スタメン。
香川真司が語る「代表と現状」。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byAFLO
posted2017/11/08 11:30
香川真司がドルトムントで見せているパフォーマンスは決して悪くない。今はここで、安定して力を発揮する時だ。
クラブでは先発起用、代表ではまさかの選外。
突然の選外となった代表の欧州遠征。チームの中心選手としての役割を担ってきただけに、憤りもあっただろう。日本代表の指揮官は本田圭佑、岡崎慎司、香川の3選手を外した理由を述べるなかで「選手たちとはディスカッションをしている」と話していたが、実際、香川と監督が話した事実はなかった。メンバー発表後のチャンピオンズリーグでは「理由を聞きたい」とすら語っていた香川だが、バイエルン戦後の彼からは、開き直った者が放つ逞しさが感じられた。
代表では負傷さえなければ先発起用が続いていたなかで、20数名の枠にすら入らないというのは、あまりに唐突で、日本代表としての矜持が傷つけられたのも事実だろう。だから、少しナイーブなリアクションになってしまったのかもしれない。
しかし、厳しい競争を勝ち残ってきたから現在の香川がいるのも事実で、競争から逃げられる仕事ではないことも十分に理解している。だからこそ現実と向き合い、勝ちぬく覚悟が生まれたのだろう。
本当はバイエルンに勝利して気持ちよくリフレッシュの時間を迎えたかったはずだが、また厳しい現実に直面せざるを得なかった。募る悔しさもまた、香川のキャリアを後押しし、進化を促した想いだ。
この2週間をどう過ごすのか? 再びの代表入りというタスクへ向けた貴重な時間となりそうだ。