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CL、バイエルン戦と連続スタメン。
香川真司が語る「代表と現状」。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2017/11/08 11:30

CL、バイエルン戦と連続スタメン。香川真司が語る「代表と現状」。<Number Web> photograph by AFLO

香川真司がドルトムントで見せているパフォーマンスは決して悪くない。今はここで、安定して力を発揮する時だ。

3度繰り返した「勝ちたかったですね」。

 先制点が両チームの勢いを逆転させる。ボールとともに試合のペースを握ったバイエルンから、ドルトムントはその主導権を奪い返せなかった。マイボールにできても、そこから攻撃に繋がらない。

 32分、バイエルンのCKからドルトムントがカウンター攻撃をしかける。長く速いパスを受けてペナルティエリアへ侵入を試みたのは香川だった。しかし、左足で放ったシュートは右ポストを直撃し、ゴールとはならなかった。

「あと数センチだと思いますけど、感覚的には悪くなかった」と香川が振り返る。

 しかし、37分にレバンドフスキに追加点を許し、前半は0-2。後半にも失点し、その時点で香川はピッチを去った、その後1点を返したものの、ドルトムントはホームで1-3の敗戦。順位も3位に下げた。

「勝ちたかったですね」

 試合後ミックスゾーンに姿を見せた香川は、3度そう繰り返した。チャンピオンズリーグから中2日での連続スタメン。チームにとっての大一番は、香川にとっても大きなチャンスだったはずだ。「2戦連続先発起用はレギュラー争いにおいて前進か?」と問われると、即座に否定した。

「いやいや負けているので。出られたことだけを喜ぶわけじゃない。やはり勝ってなんぼですし、こういう戦いの中でチャンスを生かしたかったので、そういう意味では残念です」

「向こうのほうがすべてにおいて優位に立っていた」

 ゲームの入りは決して悪くはなかった。しかしDF陣に負傷者が多いことが影響しているのか、先制点を許した直後からドルトムントの守備ラインが下がり、前線からのプレッシャーにも行けなくなった。

「引くときと前からいくときを判断して、ある程度リトリートしたなかで、いけるのであればどんどんプレッシャーをかけようというのはチームとしてあった。でも、そういうところではなかなか捕まえきれなかったのかなぁと思う。

 前半がとても重要になる試合だと思っていた。そこで先制点を取れれば、後半に入ってより僕たちのやりたいことが活きてくる。だから、まぁその意味では前半での2失点……。特に1点目に関しては相手を褒めるしかないですし、やはりああいうところで違いは生まれてくるのかなと思いますけどね。

 こっちもカウンターがらみで2回くらいチャンスがあったので、それを決めてればというのはありましたけど。ただ向こうのほうが上手くすべてにおいて優位に立っていましたし、余裕を感じていたんじゃないですか?」

【次ページ】 「このレベルの相手に、久しぶりに悔しいと感じた」

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