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白い巨人を乗せてバスを走らせた男。~レアル・マドリーはバスの中で何をしていたか、運転手の回想~
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陣野俊史Toshifumi Jinno
photograph bySports Graphic Number
posted2017/11/07 07:00
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『レアル・マドリード 専属バス運転手が語る知られざる素顔』フェルナンド・マンゾほか共著 実業之日本社 1500円+税
当たり前のことだが、サッカー選手や監督を運ぶ専用バスの運転手は、彼らの素顔(寝顔を含む)、勝ったときや負けたときの雰囲気、監督が何気なく漏らした言葉まで、とにかくすべてを知っているのだ。そして素知らぬフリをしてハンドルを握る。この本は14年間、レアル・マドリードのバスの運転手だった男の回想記。面白くないはずがない。
たとえば――レアルがチャンピオンズリーグ決勝をスコットランドのグラスゴーで戦うことになったときのこと。バスは決勝戦の5日前に出発した。スペイン、フランス、イングランドを抜けて、40時間をかけ、グラスゴーに。選手は一人も乗っていない。彼らの移動はUEFAが手配するからだ。では誰が乗っているのか。会長をはじめとする役員である。バスは要らないんじゃないの? と思うなかれ。現地グラスゴーでも役員を乗せて、練習場やホテルの間を何度も往復しなければならないのだ。大変な仕事である。
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