ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
ブンデスリーガはなぜ弱くなった?
代表とは真逆、欧州で存在感低下中。
posted2017/10/19 07:00
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph by
AFLO
10戦10勝、43得点・4失点――。ロシアワールドカップ欧州予選で圧倒的な強さを誇示したドイツ代表が、17大会連続19度目となる本大会出場を決めた。
戦術からトレーニングプラン、キャンプ地の選定まで、ディテールをとことんまで突き詰めるヨアヒム・レーブ監督は「まだまだ改善すべき点は多い」と勝って兜の緒を締めるが、3年前に王国ブラジルで黄金のトロフィーを掲げた現・世界王者に隙らしい隙は見当たらない。
ティモ・ベルナー(RBライプツィヒ)という待望久しかったストライカーの逸材が頭角を現せば、ヨシュア・キミッヒ(バイエルン)がフィリップ・ラームの穴を埋めるなど、複数のポジションで若手が信頼たりえるパフォーマンスを披露した。
そして年齢的に脂の乗り切ったマヌエル・ノイアーやメスト・エジル、マッツ・フンメルスらチームを引っ張るリーダーに加え、コンフェデレーションズカップ制覇に貢献したラース・シュティンドルやレオン・ゴレツカといった新戦力の存在も頼もしく、チームの充実度は前回大会当時より確実に上がっている。来夏の祭典では優勝候補の本命に挙げられるだろう。
ブンデスがベラルーシ、カザフスタンより低水準!?
まさに順風満帆のドイツ代表とは対照的に、クラブシーンでは大きな“異変”が起きている。近年の欧州サッカー界をリードしてきたドイツ勢が、ヨーロッパカップ戦で極度の不振にあえいでいるのだ。
2016-2017シーズン終了時点のUEFAカントリーランキングで、リーガ・エスパニョーラに次ぐ2位につけていたブンデスリーガ。しかし、今シーズンは貫禄を示すどころか、その格付けがデタラメかのような失態を演じている。ここまでに稼いだポイントは2.428。これはベラルーシやカザフスタン勢より低い水準で、欧州全体では27位に相当する。最悪だったのは2節の結果だ。すでに欧州戦線から姿を消したフライブルク以外の6チームすべてが黒星を喫した。1981年以来の大惨事である。