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ポルトガルサッカー、絶頂から衰退へ。
迷走する国内リーグで噴き出す諸問題。 

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ニコラス・ビラス

ニコラス・ビラスNicolas Vilas

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photograph byCarlos Costa/NurPhoto/AFP

posted2017/09/30 07:00

ポルトガルサッカー、絶頂から衰退へ。迷走する国内リーグで噴き出す諸問題。<Number Web> photograph by Carlos Costa/NurPhoto/AFP

今季もポルト、スポルティング、ベンフィカがリーグ開幕から上位を独占し続けているが……。

年間予算が20倍超のクラブに、どうやって勝てると?

 マチャドによれば、敗北は決して恥ではない。

 逆に彼は人々に向けてこうアピールした。

「年間予算わずか300万ユーロのクラブが、7000~9000万ユーロのクラブに負けたからといって、それがどれほどのことだろうか」

 今季のビッグ3の予算は平均7000万ユーロに達しようとしているのに対し、残る15クラブのそれは500万ユーロにも満たない。幾つかのクラブは資金繰りに苦労し、選手の給与支払いもままならない。リーグはクラブへの統制を強め、給与の支払いが遅れたクラブは勝ち点を剥奪すると警告している。だが、選手組合は、そのやり方でうまくいくとは思ってはおらず、こう反論している。

「政府やリーグ、クラブが真に勇気を持って臨むのであれば、われわれもスポーツにおけるヒエラルキーについて真剣に議論する気はある」

発覚した八百長も、選手を責められない事情が……。

 サラリーの遅延は他の悪影響ももたらしている。

 八百長試合が仕組まれ、そのうちのひとつはポルトガル司法当局の捜査対象となったのだった。関わった2部リーグ所属の選手たちは、数カ月にわたり給与を受け取っていなかった。今季1部に昇格したポルティモネンセのビットル・オリベイラ監督が事情を説明する。

「クラブが選手に2~3カ月も給料を支払わなければ、彼らの状況はとても不安定になる」

 財政状況が悪化し、銀行への依存がますます高まるなかで、ポルトガルではまったくクラブに関係の無い第三者によるクラブ所有が広くおこなわれ、FIFAによる禁止も何の実効力も持たない。

 今はもう増えるばかりの負債をどう帳消しにするかの段階である。すべてのクラブが例外なくこの問題に直面している。

 というのも2013年以来、ベンフィカ、ポルト、スポルティングのビッグ3は選手の売却により1億ユーロを越える利益を得たが、同じ時期の負債もまたほぼ同額に達したからである。

【次ページ】 リーグ改革を中小クラブが行えるわけがない。

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