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清宮幸太郎が初めて言ったプロ志望。
「早実-早大」から外れていく覚悟。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShiroh Miyake
posted2017/09/22 18:15
プロ志望をついに口にした清宮。多くの球団がドラフト1位指名を検討する模様だ。
「大学行っても木製バットなんで」
この夏、グラウンドで写真撮影をしているときに、こんなことがあった。金属バットを携えていた清宮に、同行していた編集者がこんな風に声をかけた。
「プロに行ったら、金属バットはもう最後になっちゃうね。あ、でも、そんなことは言えないか」
すると、清宮は落ち着いた様子でこう返した。
「そんなことないですよ。大学行っても木製バットなんで」
そんなやりとりでも、やはり大学へ行くつもりなのではないかと思ったものだ。
しかし、U-18の野球W杯から戻ってきてすぐに決めたという清宮の決意は、揺るぎないものだった。
大学の通信教育を受けるつもりはないのかという質問にも、U-18で他のプロ志望の選手の影響を受けたかという質問に対しても、「それはない」と、きっぱりと否定した。
何より大事なのは、自分で決めることだ。
清宮は「野球にいちばん集中できる環境を選びたかった」とプロ志望の理由を語った。
かつて、菊池雄星(西武)や大谷翔平(日本ハム)を、「高卒即アメリカ」というルートに導きかけたドジャースの元スカウト小島圭市は、清宮の進路に関して、こう心配していたものだ。
「何より大事なのは、自分で決めること。それが成長の芽を植え付けることになる」
清宮は、自分で決めた。
さて、最初の注目ポイントは過ぎた。
次は、いったい何球団が清宮を1位指名するか、だ。