テニスPRESSBACK NUMBER
錦織圭不在でもデ杯で勝てた理由。
杉田、添田、マクラクランらが躍動!
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byKiyoshi Ota/Getty Images
posted2017/09/25 07:00
デ杯で勝利した直後の杉田。世界ランクもグングン上がり、まさに絶好調。これから先、どこまで伸びるか!?
エース杉田、ベテラン添田が十二分の活躍を見せた!
まずエースとなった杉田祐一の2勝が頼もしかった。
責任感の強さもあってか、もともと団体戦ではアドレナリンが出るタイプだが、2試合ともストレート勝ち。初日第1試合でチームを勢いづけ、チームの勝利を決めたエース対決での快勝は来年に向けた希望になった。
世界ランクを42位まで上げている杉田は、「ランキングでは自分が2勝しなくてはいけない状況だった。プレッシャーがあって大変だったけど、やり終えて充実感がある」と語り、「50位に入ってもメンバーに入れないという状況になればかなりおもしろい」とニヤリとし、来年に向けてチーム内競争がいっそう激しくなることに期待を寄せた。
33歳・添田豪も男気を見せた。
チーム復帰は2年ぶり。今年初めには「デ杯ではもう十分やった。これからは若い選手に任せる」と話していたが、21歳の西岡、24歳のダニエルという若手不在の状況で、「これが最後のデ杯になるかもしれない」という覚悟で奮起した。
添田がもぎ取った初日の1勝がなんといっても大きい。
この試合が〈カギ〉だったのだ。
ダブルスでは負けたが、相手は元グランドスラム覇者。
対戦したチアゴ・モンテイロは、世界ランク139位(9月11日時点)の添田に対して116位とわずかながら上に位置する。
第4セットで迎えたサービング・フォー・マッチから最終セットに持ち込まれる苦しい展開だった。勝負のかかった試合で辛い敗戦を何度も味わってきた添田から、「やっぱり(デ杯は)辛い。でも戻って来て良かった」という言葉が聞けたのは何よりだった。
結局、敗れたのはダブルスのみ。ブラジルのダブルスは強力だった。マルセロ・メロとブルーノ・ソアレスはいずれもダブルスでのグランドスラム優勝経験があり、メロは元ダブルス世界1位、ソアレスも2位という実績を持つ。
内山靖崇とマクラクラン勉(ベン)はセットを奪うことができなかったが、それでも単なる完敗ではなかった。