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錦織圭不在でもデ杯で勝てた理由。
杉田、添田、マクラクランらが躍動!
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byKiyoshi Ota/Getty Images
posted2017/09/25 07:00
デ杯で勝利した直後の杉田。世界ランクもグングン上がり、まさに絶好調。これから先、どこまで伸びるか!?
世界的に選手のデ杯離れが進んでいるという大問題。
今のシングルスのトップ20の選手で今年のデ杯にまったく参加しなかったのは錦織も含めてちょうど半数。
残り10人のうち7人が1度だけ出場した。複数出場はわずか3人だった。
トッププレーヤーが相次いで〈休業宣言〉する異常事態も招いたツアーの苛酷な競争を考えれば、無理もない。
打開策として打ち出された5セットマッチから3セットマッチへの変更案は、ITF(国際テニス連盟)の総会で3分の2の賛成が得られず否決された。選手のデ杯離れに、しばらく劇的な歯止めは望めないだろう。
そんな中、来年の組み合わせが決まった。1回戦の対戦国はイタリア。日本での開催だ。次の挑戦が具体的になればなおさら、錦織が復帰したときの日本チームの可能性を考えるのは楽しい。ワクワクする。しかしデ杯を巡る世界の現状を眺め、まだ手首を固定したままの錦織の姿を液晶画面越しに見ると、膨らむ期待に多少ブレーキがかかる。時期尚早、あるいは楽天的すぎるのかもしれない、と。