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サファテと松井裕樹の成績がエグい。
50セーブに0点台、でも実は対照的。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKyodo News

posted2017/09/14 07:00

サファテと松井裕樹の成績がエグい。50セーブに0点台、でも実は対照的。<Number Web> photograph by Kyodo News

高校時代、甲子園での1試合奪三振記録で名を馳せた松井裕樹。今季はクローザーとして強烈なインパクトを放っている。

防御率0点台前半の松井裕樹も、実は空前の記録。

 実は今季、サファテ以外にも凄い記録を残している救援投手がいる。

 楽天の松井裕樹だ。

 今季7月まではサファテとセーブ数で激しく競り合っていた。左肩痛のために7月27日に登録抹消され、8月19日に再登録されたが、彼は48試合に登板して自責点はわずか2、防御率は0.36。これは空前の記録だ。

<過去、40試合以上登板した投手の防御率5傑>※松井は2017年9月10日時点

1:松井裕樹 2017年(楽)0.36(48試合49.2回3勝1敗 31S 5ホールド)
2:浅尾拓也 2011年(中)0.41(79試合87.1回7勝2敗 10S 45ホールド)
3:佐々木主浩 1998年(横)0.64(51試合56.0回1勝1敗 45S)
4:藤川球児 2008年(神)0.67(63試合67.2回8勝1敗 38S 5ホールド)
5:藤川球児 2006年(神)0.68(63試合79.1回5勝0敗 17S 30ホールド)

 2011年の浅尾はクローザーではなくセットアッパー。この年37セーブした岩瀬仁紀につなぐ中継ぎとして圧倒的な成績を残し、セットアッパーとして初めてMVPに輝いた。しかし、この年の浅尾でも失点した試合が4試合ある。

48試合で2試合しか自責点がついていない。

 今年の松井は、48試合で2試合しか自責点がついていない。

 松井が今季最初に喫した失点は4月29日の日本ハム戦、9回裏二死から田中賢介にサヨナラ右前打を打たれたものだが、そこから9月5日の同じ日本ハム戦まで、実に4カ月、30試合も自責点0だったのだ。

 なお9月5日の試合は9回から登板して、大谷翔平からタイムリーを打たれたものだった。

 余談だが、この試合は「富山での日本ハムの主催試合」という極めて珍しい試合で、私はそれもあって球場で見ていた。その時点で「サファテと松井で書こう」と腹積もりをしていたのだが、大谷はボテボテながら右前に抜けるタイムリーを打った。大したもんだと思ったが、続くレアードに本塁打でも打たれたら、松井の防御率はだだ下がりになって原稿が書けなくなる!

 思わずビールをもう1杯注文してしまったが、松井はレアードを中飛に打ち取って事なきを得た。

【次ページ】 サファテと松井裕樹、好対照な成績って?

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