酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
サファテと松井裕樹の成績がエグい。
50セーブに0点台、でも実は対照的。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2017/09/14 07:00
高校時代、甲子園での1試合奪三振記録で名を馳せた松井裕樹。今季はクローザーとして強烈なインパクトを放っている。
サファテと松井裕樹、好対照な成績って?
話は戻ってサファテと松井裕樹、2人は同じクローザーながら、実に対照的な成績を残している。
・出した走者(安打+四死球)の数
サファテ:61試合で42人 松井裕樹:48試合で50人
・許した得点(自責点)
サファテ:6 松井裕樹:2
・投球数(1イニング当たりの投球数)
サファテ:893球(14.6球) 松井裕樹:848球(17.1球)
松井は安打よりも四球を与える方が多い。
松井は26被安打に加えて24与四球。登板するたびに走者を出している勘定だ。しかし、塁に走者を背負ってからが松井の真骨頂で、なかなかホームに返さないのだ。
このあたり「江夏の21球」で、9回無走者でマウンドに上がって無死満塁のピンチを作り見事それを抑えきった江夏豊と同じ“マッチポンプ”だ。ちなみに松井も江夏と同じ左腕である。
対照的にサファテは走者をあまり出さないから、リスクが少ない。ファンはハラハラドキドキする「松井劇場」の方が楽しいかもしれないが、指揮官にしてみればサファテの方が安心して見ていられるだろう。
ただ、松井裕樹の今季被本塁打は0だが、サファテは本塁打を3本打たれている。難攻不落のサファテと対戦する相手は「本塁打でも打たないと点が入らない」と開き直るのかもしれない。サファテ自身、そういう大振りにはやや弱いところがあるようだ。