プロ野球亭日乗BACK NUMBER
二塁を守りつつマイコラスを一喝!
巨人マギーは成績以上の助っ人だ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byTakuya Sugiyama
posted2017/09/08 17:15
大リーグ経験のある川崎宗則と二塁上で談笑するマギー。その人間性は、巨人にも好影響を与えている。
「オレは一塁手でも三塁手でもなく野球選手」
「頭がいい。楽天時代の経験もあるし、セ・リーグの投手に慣れてきて、配球をきちっと読んで狙い球を絞れている。基本はセンター中心に打ち返すことを意識したバッティングだけど、状況に応じて引っ張れるし、文句のつけようがない」
こう語るのは村田真一ヘッドコーチだ。
豪快なスイングで一発を狙うタイプではない。すでにチーム新記録となる42二塁打が示すように、どちらかといえば右中間、左中間を破るライナー性の打球を量産するタイプで、当初は長打力不足を指摘する声もあった。
しかしデータをきちっと頭に入れて、場合によっては追い込まれても、ヤマを張って思い切って振っていくような大胆さもある。
「打順は気にせずにいつも通りのバッティングをしているし、2番を特別に意識することはない。それに打順が一巡すれば同じだからね」
1番に入った陽岱鋼外野手とこのマギーが攻撃的2番打者として機能したことが、チームの巻き返しの起爆剤になったのは誰もが認めるところである。そうして不安視された二塁守備も無難にこなす。
「オレは一塁手でも三塁手でもなく野球選手なんだ。だから最善を尽くすのは当たり前のことだと思っている」
「とにかく野球に取り組む姿勢が真面目やね」
首脳陣から可能性を伝えられると、起用される前から空き時間を見つけては自主的に二塁の守備練習に励む姿があった。
三塁とは全く逆の動きになる二塁に入って、当初は戸惑いがあったかもしれない。しかし、練習を繰り返して、今は問題なくこなしている。
「とにかく一番いいのは、責任感があって、野球に取り組む姿勢が真面目なところやね」
村田ヘッドコーチの評価である。
マギーの価値とは、単に打つ、守るということだけにない。自分のプレーにプライドを持って、それをグラウンドで示そうとしている。そこがレジー先生を彷彿させるところなのである。