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最終予選、起用選手数が歴代最多!
人選こそハリル最大の戦術である。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byTakuya Sugiyama
posted2017/09/05 11:15
オーストラリア戦での勝利後、記念撮影に収まる日本代表。ハリルホジッチ監督率いるチームには、今後も新たな招集メンバーが現れるのか。
川口、中田英、城らアトランタ世代の若手が主力に。
出場記録を見て気づくのは、若手の抜擢だ。
ハリルホジッチ監督も久保裕也、浅野、井手口ら「若手を抜擢」というイメージが強いが、対戦相手とコンディションに応じて起用し、盤石のスタメンというわけではない。
しかしこの時の“アトランタ世代”である川口、中田英、城の3人は20代前半ながらフランスW杯最終予選の主力として出場していた(川口は全試合フル出場)。加茂監督と岡田監督が彼らの潜在能力を買っていたことが良く分かる。
その一方で岡田監督は最終予選後半戦で北澤、中山、高木というドーハの悲劇を味わった面々を招集。彼らの経験値を生かして初出場を手繰り寄せた。ちなみに岡野は「あの歓喜」の1試合だけの出場である。
ドイツ最終予選は「海外組」か「国内組」か?
<2006年ドイツW杯最終予選:24人>
※ジーコ監督/6試合5勝1敗、グループ1位通過
GK:川口能活、楢崎正剛
DF:田中誠、宮本恒靖、中澤佑二、三都主アレサンドロ、加地亮
MF:中村俊輔、中田英寿、福西崇史、小笠原満男、遠藤保仁、三浦淳宏、小野伸二、稲本潤一、中田浩二、遠藤保仁、阿部勇樹、今野泰幸
FW:鈴木隆行、玉田圭司、高原直泰、大黒将志、柳沢敦
2002年日韓W杯は開催国として予選免除だったため、8年ぶりにアジア最終予選を戦った。選手の顔ぶれも、日韓W杯ベスト16メンバーがベースとなっている。
当時の最終予選の試合数は「6」と少なかった。しかし起用した選手数24人は、イメージ以上に多く感じるかもしれない。3-5-2と4-4-2を使い分け、なおかつ当時ことあるごとに報道された「海外組」と「国内組」の起用について、ジーコ監督も相当頭をひねっていたことが分かる。
なおジーコ監督は、すでに突破が決まっていたイラン戦の終盤に阿部、今野と当時若手だったアテネ世代を投入してもいる。