フランス・フットボール通信BACK NUMBER
プレミアのキック&ラッシュは終焉か!?
外国人監督急増による戦術革命を検証。
posted2017/08/27 09:00
text by
パトリック・ウルビニPatrick Urbini
photograph by
Alain Mounic
『フランス・フットボール』誌(8月15日号)は、その週末に開幕したイングランド・プレミアリーグを特集している。
チーム紹介や日程まで含めると51ページにも及び、自国リーグアンの開幕特集に匹敵するボリュームである。内容も、近年は独占インタビューを受けることが稀になったアーセン・ベンゲルのロングインタビューをはじめ、マンチェスター・ユナイテッドから古巣のエバートンに戻ったウェイン・ルーニーのルポルタージュなどなかなか充実している。
そんな中でプレミアの戦術的な変化をパトリック・ウルビニ記者が分析している。
トップレベルの外国人監督と選手の流入により、長年培われてきたイングランドスタイルがどう変わっていったのか。時代背景を知らないとわかりにくい部分もあるが、今日の戦術的なプライオリティはどこにあるのかを、監督たちのコメントとともにウルビニが鋭く指摘している。
監修:田村修一
プレミアリーグが“4-4-2”を捨てる時代とは。
優れた外国人監督たちの影響を受けて、プレミアリーグの戦術文化は大きく進化した。他のどこにも真似のできない空中戦とダイレクトプレーが特徴だったイングランドスタイルは、今や昔といえるのだが……。
ひとつの数字が時代の変化を象徴している。
それはほとんどのチームが伝統の4-4-2システムを採用していた数年前までは考えられないものだった。
昨シーズンのプレミアリーグにおいて、17ものチームが少なくとも1試合は3バックで試合に臨んだ。
この傾向に抗い、一度も3バックを採用しなかったのはバーンリーとサウサンプトン、ウエストブロムウィッチのみであった。