“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
プロ注目の高校サッカーの逸材達。
プロ入りと大学進学で揺れる心も……。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2017/07/29 09:00
東福岡の阿部海太はどのJクラブも欲しがるCBの逸材。今大会は昨年負けた昌平へのリベンジも狙う。
すでにJクラブの練習に参加している有力選手達。
中村はその言葉通り、今年3月から青森山田の一員としてプレーを始めると、高円宮杯プレミアリーグEASTで安定したパフォーマンスを披露してみせた。
課題であった守備面でも、徹底的な意識付けと攻守の切り替えの速さを教え込まれ、攻守共に活躍できる選手へと成長を遂げた。
インターハイ前にはモンテディオ山形の練習に参加。インターハイ後も練習参加するJクラブが決まっており、複数のチームが獲得に乗り出そうとしている。
「僕にとって最初で最後のインターハイ。楽しみたいし、しっかりとアピールしてから、どこに行くか決めたい」
インターハイ前にヴィッセル神戸の練習に参加した同じく青森山田の郷家友太もまた、今大会できっちりと結果を出して確固たる評価を勝ち取ろうとしている。
186cmの高さを持ちながら、足下の技術に秀でた郷家は、ボランチからトップ下までこなせる存在として、昨年から高評価を受けていた。
郷家も中学時代にベガルタ仙台ジュニアユースからユース昇格を断って、「もっと違う環境で自分を成長させたかったし、プロの選択肢を広げたかった」と青森山田にやってきた選手だ。
不退転の覚悟で青森にやってきたからこそ、プロになることは絶対条件だった。その目前まで辿り着いたからこそ、今大会はただのプレーで終わってはいけない。
「高円宮杯チャンピオンシップとか、選手権優勝はしたのですが、それはあくまでも昨年のチーム。自分が軸となっている今年、ちゃんとした結果を残さないといけないし、全国ではもっと成長した姿を見せないと」
プロ入りによって、ポジションが変わりそうな選手も。
前橋育英のDF松田陸は、176cmと高さこそ無いが、天性のバネとバランス感覚に秀で、空中戦では無類の強さを見せる。
チームではCBを任されているが、キックの種類も多彩で、高い守備力を持ちながらも、サイドからのクロスやアップダウン能力を持つ存在として、右サイドバックとしての才能も非凡なものを見せている。
多くのJクラブは彼を右サイドバックの補強ポイントとしてリストアップしており、インターハイ前の時点であるJクラブからすでにオファーも届いている。
「じっくりと考えて決めたいと思っている。インターハイで活躍をすれば、さらに多くのチームに興味を持ってもらえるし、自分の力でちゃんとプロでやれることを証明したい。勝負の大会だと思っています」