“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
プロ注目の高校サッカーの逸材達。
プロ入りと大学進学で揺れる心も……。
posted2017/07/29 09:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
本日7月29日、決戦の火蓋が切って落とされたインターハイ。
この原稿が掲載される時点(29日の朝)から1回戦が始まっており、初戦で涙を飲むチームもあるだろうが、まずは今大会注目の選手たちをなるべく沢山紹介してみたいと思っている。
高校生にとってこのインターハイは、全国に自分の名を轟かせるだけでなく、自らの進路を決定付ける重要な戦いでもある。なぜならば、ほとんどの生徒たちの進路はインターハイ終了後から高校選手権の予選開始(10月)の間で決まるからだ。
自分の進路を決めるための「最後にして最高のアピールの場」がインターハイなのだ。
プロ入り確実な選手も、さらに上を見てプレーする。
今大会出場チームの中ですでにプロ内定を公式に発表している選手は4人。
前橋育英のDF渡邊泰基(アルビレックス新潟内定)、市立船橋のDF杉山弾斗(ジェフユナイテッド千葉内定)、市立長野のMF新井光(湘南ベルマーレ内定)、四国学院大香川西のMF本田功輝(ジェフユナイテッド千葉内定、今大会は負傷により出場せず)だ。
負傷している本田以外はプロ入りする実力を示すべく、高いモチベーションでこの大会に臨もうとしている。その一方で、冒頭で書いたように、この大会を人生をかけた勝負の大会として臨もうとしている選手達がまだ沢山いる。
プロ入りが濃厚な選手にとっては自身の選択肢をより広げるための大会であり、まだオファーが来ていない選手にとってはプロ入りをたぐり寄せる大会となる。さらにプロ入りか大学進学かを迷っている選手にとっては、自身の実力を見極めるための大会でもある。
すべてに共通するのが、自分の価値を改めて示す絶好の場であること。
それぞれの立場に置かれた魅力ある選手たちを、ここで紹介して行きたい。
まずプロ入り濃厚の選手を挙げるとするならば、青森山田のFW中村駿太とMF郷家友太、前橋育英のDF松田陸、東福岡のMF福田湧矢とDF阿部海大、神村学園のMF高橋大悟などだ。
中村駿太は自身の可能性を広げるために、小学校時代から過ごした柏レイソルの下部組織をあえて離れ、高校最後の1年を青森山田で過ごすことに決めて移籍した。
「高校サッカーの方が(Jクラブユースより)いろんなチームのスカウトから見てもらえますし、評価されれば多くのチームから声を掛けてもらえる。神谷優太さん(湘南ベルマーレ)も青森山田に来てチャンスが広がったと言っていましたし、僕も努力してそのチャンスを広げたいんです」