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大学No.1GK、日本人守護神に警鐘!?
卒論に選んだのは「韓国人GK論」。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2017/07/24 08:00

大学No.1GK、日本人守護神に警鐘!?卒論に選んだのは「韓国人GK論」。<Number Web> photograph by Takahito Ando

ハリルホジッチ代表監督が求める「身長が190cm以上あるGK」の条件を満たす永石。次代の代表守護神としての期待がかかる。

身長が高い日本人GKも沢山いるのに、なぜ?

「率直に『なぜここまで日本人GKがJリーグで試合に出られないのか?』と思ったんです。そこで、卒論のテーマにしてみることに決めたんです。

 日本人GKについて身長はよく言われる部分ですが、サイズのあるGKが日本にいないということはないんです。でも、わざわざ外国人枠やアジア枠を使って獲ってくる訳じゃないですか……アジア枠だとしても、そういった枠で選手を補わなくても良くなっていけば、日本のサッカーはもっと強くなる、ということですよね。

 だからこそ、日本人GKはもっと成長しないといけない。

 でも、ただ『負けないぞ』と張り合うのではなく、『なぜ、そうなっているのか』を分析することで、結果的に自分にとって大きなプラスになると思ったんです」

 山口県出身の永石は、地元・高川学園高校時代から年代別代表に選ばれるなどすでに高い評価を得ており、高校卒業時にはJクラブからのオファーもあったのだという。しかし、自身の考えにより福岡大への進学を決めた。

「もしこのままプロに行ったら、サッカー選手として半端なままで終わってしまうと思ったんです。もちろん高卒プロで伸びた選手もいますが、僕はメンタル的にも技術的にもまだまだ未熟だと感じていたので……大学に行って4年間、きっちりと試合に出続けて実践経験を積んだ方が、より成長できると考えました」

 さらに大学2年時には、「1年から試合に出させてもらっているということは、もっと成長できるのではないか、と思って。そのためにはプロの経験も絶対に必要」と、2015年7月から12月までサガン鳥栖の特別指定選手となり、プロの練習に参加したこともあった。

細かいスキルというより……プレーの質が異なる?

 プロでプレーする自信がつき始めた彼に、自らのポジションであるGKの世界で起こっている特殊な現象が気にならないわけはなかった。

 そんな彼が、卒論を通じてその現象を分析し、より自身のプレーに役立てようと考えたのは自然な流れだったようだ。

 まだ卒論は完成していないが、現時点での分析結果を彼はこう口にした。

「あくまでも僕の見解ですが……GKとしての細かいスキルというより、韓国人GKの方がダイナミックなプレーが多い、というのは全体に感じますね。日本人のGKは足下の技術とか、キックの精度も高いのですが、韓国人GKとの一番の違いは、単純にゴールマウス内での手や足が届くエリアの広さだったり、前に出る果敢な姿勢、強気なプレーが日本人より多い、ということ。そのスケールの大きさや強気な姿勢が、Jリーグでも必要とされているのではないかと思います」

【次ページ】 「韓国人GKはひとことで言うと『壁』ですね」

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