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森崎や青山、城福監督から吸収。
松本泰志は走れる広島産ボランチ。
posted2019/03/29 00:00
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
SANFRECCE
Jリーグが集計している今季のトラッキングデータを見ると、試合別の走行距離のランキングに昨季まで名を連ねたことがなかった男の名前が記されている。
埼玉の昌平高校からサンフレッチェ広島に加入して3年目を迎える、松本泰志である。
プロ入り直後からピッチに立って活躍する選手も多くいるが、松本はそうではない。
1年目はルヴァンカップでデビューこそ果たしたが、リーグ戦では出場機会を得ることができず。そして2年目となった昨年もリーグ戦3試合に出場したが、満足のいく出番を得ることはできなかった。
ただ、今年に入り、チャンスがやってくる。昨年までレギュラーを務めていた青山敏弘と稲垣祥がシーズンを前にそろって負傷。ボランチに新たな選手を起用しなければならない状況が訪れた。そこで城福浩監督が先発の座に抜擢したのが松本だった。
出ていると楽しいし、負けてない。
開幕戦でリーグ戦先発を経験すると、そこからの3試合はすべてフル出場。走行距離でリーグトップに立つほどの運動量でピッチを走り回り、積極的にボールに絡むことで攻守に貢献度の高いプレーを見せている。
「やっぱり、リーグ戦に出ていると楽しい。ここ最近はリーグ戦で2連勝しているけど、そういう風に結果が出るとすごく気持ちいいし、充実しているなと感じる。やっとチームに貢献できているなというのは一番に思います。
それにやっぱり出た試合でまだ負けていない。そういうのは強みというか自信になる。その中で、できることが増えてきていることに成長を感じられている」
クラブで一歩ずつ階段を登ってきた松本だが、森保一監督が率いる東京五輪世代の代表でも同様に少しずつ自身の存在価値を高めている。