炎の一筆入魂BACK NUMBER
専門学校卒の星・一岡竜司。
広島で輝く、庶民派のド根性右腕。
posted2017/07/13 17:00
text by
前原淳Jun Maehara
photograph by
Kyodo News
今年も7月14日(ナゴヤドーム)、15日(ZOZOマリン)で年に1度の夢の球宴、プロ野球オールスターゲームが行われる。
監督推薦により、独立リーグ出身投手として初めて中日又吉克樹が選ばれ、プロを目指す独立リーガーたちに大きな希望を与えた。遡ること3年前には、専門学校出身投手もまた、夢の舞台に立っている。
今季も広島の中継ぎの一角であり、貴重な存在としてフル回転している一岡竜司だ。
今もなお、プロを目指す専門学生の希望の星として輝きを放ち続けている。
運命を変えた、FAがらみでの広島移籍。
福岡県出身の一岡は大分の藤蔭高進学後、大学や社会人から声がかからず、沖データコンピュータ教育学院に進学した。
野球は続けていたが、「プロなど考えていなかった」。
イタリア料理店でアルバイトをするなど、一般の学生と変わらぬ日々を過ごしていた。
だがアルバイトをしているうちに右肘痛が緩和すると、体重増もあって球速がグンと上がり、その名は次第に広まっていった。そして、'11年のドラフト会議で巨人から3位で指名され、入団。プロの門をたたくこととなった。
だが、高い壁が待ち受けていた。
二軍では2年連続チーム最多セーブを記録するなど好結果を残すも、一軍の登板機会は2年で計13試合。
層の厚い投手陣に割って入ることができずにいた。
転機は突然訪れる。'13年オフ、広島・大竹寛のFA移籍による、人的補償選手として広島に移籍することが決まったのだ。