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鹿島5連勝をもたらした“臨時CB”。
三竿健斗、全ては中盤で輝くため。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/07/07 08:00
大岩監督から高く評価されている三竿。兄の雄斗とともに常勝・鹿島のワンピースとして実力を育んでいる。
永木も三竿の成長を高く評価し、競争心を持っている。
同じくボランチの永木亮太は、三竿の能力を高く評価している。
「年齢にしては落ち着いているし、周囲もよく見えている。昨年はなかなか試合に出れなかったけど、今年は出場機会を与えられて目に見えて成長している。鹿島のサッカーにすごく合う選手ですし、自分もすごく刺激をもらっています」
永木も昨年、鹿島に移籍した時、なかなか試合に出場できなかった。徐々に存在感を出し、試合に出るようになり、日本代表にも選出された。それだけに三竿の今の意欲的な姿勢や気持ちはよく理解できるのだという。
もともとは世代別代表時代から実績のある選手である。
U-17W杯ではベスト16進出に貢献。ヴェルディでは大型ボランチとして高い評価を受け、プロ1年目から開幕スタメンでプレーした。それゆえボランチでのプレーに自信もプライドもある。鹿島にはレオ・シルバと永木、そして小笠原満男といった面々が控えるが、堂々とレギュラー獲りへ宣戦布告をする。
「ボランチではだれにも負ける気がしないですし……」
「今日みたいな試合でも自分がボランチとして出ればいつも通りにプレーできると思います。ボランチでは誰にも負ける気がしないですし、常にボランチの1番手として使われるようになりたい」
温和な表情の中に強烈な負けん気が充満している。もっとも、そのくらいの強い気持ちがなければ鹿島でレギュラーを取ることは難しい。
三竿の負けず嫌いは、リオ五輪世代にも向けられている。
AFC U-23アジア選手権カタール2016では優勝したが、サウジアラビア戦の1試合しか出場できず、悔しい思いをした。目標だったリオ五輪にも出場できず、最終予選でともに戦った仲間が所属チームでレギュラーになったり、海外移籍を果たしていくのを悔しさを噛み締めた。久保裕也、浅野拓磨、遠藤航は日本代表のメンバーに入り、チームでも活躍している。三竿からすれば少し差を広げられた感があるだろう。