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井口資仁の名はシカゴで永遠に残る。
反骨の逆転ホームランと、世界一。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2017/07/02 07:00
2005年、シカゴを沸かせた井口も42歳となった。NPB現役最年長野手として、千葉ロッテでラストシーズンを戦っている。
「井口さんに言いたい。我々ファンにとって……」
「……」の中に込められた言葉は、わざわざ書き記すこともないだろう。それを感じ取ってか、別のファンから「質問の前にひとこと」と前置きされて、こんな言葉を贈られている。
「井口さんに言いたいことがあります。我々ホワイトソックス・ファンにとって、あなたがここに来てくれたことがどれぐらい意味のあるものだったのかを知って頂きたい。シカゴに来てくれて、本当に有難うございます」
立見席も出ていた満員の会場のどこからか、拍手が巻き起こる。1000人近くはいただろうか。拍手はどんどん大きくなって、井口が立ち上がってペコリと頭を下げるまで止まなかった。
井口がメジャーリーグに残したもの。シカゴという町に残した足跡。
それはこれからもずっと、ファンの間で語り継がれていく――。