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晴れやかに帰還したリーチマイケル。
2年を経てなお輝くリーダーシップ。
text by
二瓶仁志(Number編集部)Hitoshi Nihei
photograph byTakuya Sugiyama
posted2017/06/20 15:30
10日のルーマニア戦、17日のアイルランド戦に先発し、攻守にわたるハードワークでチームを牽引した。
「全体のスタンダードを高めていかないと」
――以前のインタビューでは、エディー・ジョーンズさんから「自分のスタンダードを落としたら勝てない」と言われたことを話していました。
「やはりチーフスでの経験は、自分のスタンダードを高いところに上げてくれました。これからは、それを周りに伝えて、全体のスタンダードを高めていかないといけない」
――代表に戻って、よく話をする相手はいますか。
「同部屋がフミさん(田中史朗)。ずっとラグビーの話しかしてない(笑)。一緒にルーマニアやアイルランドの試合を観てプレーを分析したり、若い子はどうすれば育つかを話し合ったり」
ジョセフHC「彼はいいリーダーだとわかる」
言葉の端々から、前主将が持つ責任感が垣間見えた。「キャプテンはもういい。ハル(立川理道)とショウタ(堀江翔太)がすばらしいキャプテンだから」と謙遜したが、早速リーダーグループに加わり、ジョセフHCも「彼はいいリーダーだとわかる」とその人格を評価している。
後日、ジョセフHC、立川、堀江とともに表紙を撮影した時のこと。堀江翔太のスパイクを見たリーチが語りかけた。
リーチ「そのスパイク、革薄くない?」
堀江「俺はスクラムの時につま先で踏ん張りたいから、柔らかいスパイクじゃないとだめ。リーチのスパイクは固すぎるんじゃない?」
リーチ「固いほうがしっくりくる。だからスクラムの時は、地面を掘って自分の足を固定してるよ。でもショウタのスパイク、つま先の出っ張り(堀江のスパイクの裏面にはつま先部分に小さな突起があった)、いいね」
堀江「ええやろ。引っかかって踏ん張れる。メーカーの人に出っ張りつけてもらえるようにお願いすれば(笑)」
リーチ「いいね(笑)」
2年間のブランクを埋めるように、積極的にチームメイトとコミュニケーションを取るリーチ。'19年に向けての抱負を聞いた。
「リーダーシップをもっと高めたい。若いメンバーにも遠慮せず、ガンガンやっていきたい」
頼もしいフランカーが、'19年に向けてジャパンを引っ張ってくれそうだ。