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晴れやかに帰還したリーチマイケル。
2年を経てなお輝くリーダーシップ。
posted2017/06/20 15:30
text by
二瓶仁志(Number編集部)Hitoshi Nihei
photograph by
Takuya Sugiyama
リーチマイケルが日本代表に帰ってきた。
2015年ワールドカップ以来の代表戦となった6月10日のルーマニア戦。リーチは、タックル、ラインアウト、後半開始直後のトライと、攻守にわたって大きな存在感を示した。
ラグビー特集となったNumber929号では、6月5日、代表に合流した直後のリーチに合宿地の福岡県宗像でインタビューを行った。聞き手はラグビージャーナリストの村上晃一さん。村上さんは昨年11月にもリーチにインタビューし、代表辞退の理由を聞き出している。その時「休まないと心身ともにダメになる」と語ったリーチは、どのような状態で代表に戻ってきたのだろうか。
――久しぶりの代表合宿参加です。いま、どんなお気持ちですか。
「玄海グラウンドは、(前体制の)エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)の頃に、きつい練習をした場所なので、こちらに向かう飛行機の中では緊張していました。合流してみると、前日本代表とは雰囲気が違ってリラックスしているし、僕も新鮮で、楽しい気持ちになりました」
「能力をトータルで見た時に僕が上だったのでしょう」
昨年のシリアスな時期とは打って変わって、リーチは晴れやかな笑顔でインタビューに応じてくれた。スーパーラグビー・チーフス(NZ)での活躍、ジェイミー・ジョセフHCが展開するキックラグビーへの思い、2019年ワールドカップへ向けた展望など、話は多岐にわたった。以下は、誌面に掲載しきれなかったインタビュー内容を紹介する。
――チーフスでNo.8のレギュラーを勝ち取れた理由はどこにあると思いますか。
「アタックやディフェンス、個別の能力で見ると僕より優れた選手はいる。でも、能力をトータルで見た時に僕が上だったのでしょう。一番の武器はラインアウト。ジャンパーとしてもディフェンダーとしても自信があります。身長もあるし。ブロディー・レタリック(チーフス所属、オールブラックス61キャップ)と組むと、より良いプレーができる」
彼のジャンプ力は、合流して間もない日本代表でも発揮されている。ルーマニア戦では、リーチのラインアウトを起点にしたパスから、開始12分のトライが生まれた。