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ジェイミーとエディーはここが違う!
ラグビー日本代表総監督の素顔。
text by
稲田修一(Number編集部)Shuichi Inada
photograph byTakuya Sugiyama
posted2017/06/15 08:00
日本代表だけでなくサンウルブズなど全4カテゴリーで日本のラグビー界全体を牽引しているジョセフHC。
「この人に任せておけば大丈夫だ」という安心感が。
さらに、ジョセフHCの求めるラグビーを深く理解しているSH田中史朗はこう語る。
「エディーはラグビーの構造を極力シンプルにして、シンドいことを徹底してやりきろうとした。でもジェイミーのラグビーは、一人ひとりが考えないとできない。ひとつの判断ミス、コミュニケーションミスがターンオーバーにつながってしまうから」
選手たちは、練習、試合の際のジョセフHCは「かなり怖い」という印象を持っているという。だが、今回取材して見えてきたのは、すべての選手がコーチの立てたプランを信頼し、全力で遂行しようとしている姿である。
インタビューの後、ポートレート撮影を終えると、ジョセフHCは取材班一人ひとりと握手を交わしてくれた。まるでグローブのように大きく、意外と柔らかい手からは、「この人に任せておけば大丈夫だ」と信じさせてくれる熱量が伝わってきた。
ルーマニア戦の勝利の裏側にあったジョセフHCの檄。
迎えた6月10日のルーマニア戦。
前半はジャパンがプランどおりのラグビーを展開し、山田章仁と福岡堅樹が鮮烈なトライを決めて14点差で折り返す。
ハーフタイムのロッカールームの様子をとらえた中継映像では、ジョセフHCが身振り手振りを交え、厳しい表情で選手たちに絶え間なく指示を与える姿があった。
後半、ルーマニアの猛反撃を受けるも、最後の最後でゴール前のピンチを死守できたのは、ジョセフHCの檄が選手たちの背中を後押ししたからではないだろうか。
6月17日、24日のアイルランドとの2連戦。
“ビッグダディ”が統率するジャパンは、世界4位の堅牢なグリーンの壁を相手にどのような戦いを見せてくれるのか。
2年後の大舞台に向けた「桜の挑戦」は続いていく。