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池田純がBリーグチェアマンに聞いた、
「夢のアリーナ」の壮大なビジョン。
posted2017/05/25 12:20
text by
朴鐘泰Park Jong Tae
photograph by
Nanae Suzuki
「今日は何でもしゃべりますよ」
講義冒頭から朗らかな表情を浮かべながら、テンポよく話すBリーグチェアマンの大河正明氏。「Number Sports Business College(NSBC)」第3回目のゲストである。
大河氏は京都大学卒業後、三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行し、1995年にJリーグへの出向を命じられる。「ある結婚式で、銀行の頭取と川淵(三郎)さんが同じテーブルだったんですよ」と笑顔でその内幕を明かしてくれた。
Jリーグでは管理統括本部長、理事、常務理事と要職を歴任。その経験と手腕を買われて2015年春、NBLとbjリーグの統合に揺れるバスケットボール界に転身すると、同年9月、川淵三郎氏に次いで2代目Bリーグチェアマンに就任した。
「バスケットボール界に転身したチェアマンになって翌年の秋には新しいリーグ戦を始めなきゃいけなかった。2つあったリーグを1つにして、新しいルールも全部決めて、さらに、2つのリーグにあった計47チームを戦わずして1部と2部と3部に分ける……。やるべきことが山積みで、僕の人生においてすごくチャレンジとなる仕事でしたね」
BリーグとJリーグを比較しての共通点と相違点は?
受講者からはやはり、前職を引き合いにする質問が飛んだ。
受講者「BリーグとJリーグを比較して、共通点あるいは相違点を教えてください。あと、アメリカのNBAに対して、ここは参考にするけど、ここは日本バスケのオリジナリティを守るといった点もあればお願いします」
大河「地域に根差すスポーツクラブを全国につくっていって、スポーツを通じて幸せになろうという理念ですかね。だからクラブの数が100あってもいい、というのも同じ。違うところはといいますと、長年Jリーグにいた経験からですが、Bリーグでは『極端にマネージしないほうがいい』と考えています。
Jリーグは発足からもう25年も経ちました。すると“中の人”たちは、どうしてもコンサバティブになってしまう。Bリーグはできあがったばかりで組織自体も非常に若いですから、その若さをどう保っていくかは課題だと思っています」