プロ野球亭日乗BACK NUMBER
再び訪れたMLB移籍の“黒船”。
NPBは不平等条約を結ぶな!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2017/05/18 07:00
WBC欠場、シーズン序盤での故障と厳しい時期が続いている大谷。だが、その選手としての器は海を越え、世界的評価が定まっている。
4年前同様、ただMLBの要求を飲むだけではいけない!!
これは1つの私的代替案でしかない。
ただ、より高いレベルで自分の力を試したいという選手の、この欲求は純粋であり、アスリートとしての必然でもある。
そういう選手の欲求を逆手にとるように、獲得資金の抑制だけを目的にMLBが制度の改定を求めるのであれば、NPBとしては制度そのものの可否を改めて検討すべきである。4年前と同じように苦渋の決断で、ただMLBの要求を飲むだけでは、日本球界はどんどん才能が流出するだけで終わってしまう。
そう考えるならば、実はいまこそ「静観」のときではないはずなのだ。
選手も球団も、いかに納得できる制度に前進させることができるか。MLBの申し入れを逆手にとって、NPBサイドからどういう発信ができるのか。
12球団と選手会が集まり、知恵を絞り、積極的にアイデアを出し対抗策を練る――いまこそそのときではないだろうか。