野球のぼせもんBACK NUMBER
女性観客が8割の「タカガールデー」。
意義あるイベント、NPBは球団任せ。
posted2017/05/17 07:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
NIKKAN SPORTS
毎年だが、球界の常識を変えるこのイベントに本当に驚かされる。
5月14日、ホークスは本拠地ヤフオクドームでのイーグルス戦で「タカガールデー」を実施した。今季5度目の満員札止めとなったこの試合、スタンドはどこを見渡しても、鮮やかなピンク一色に染められた。
38585人中、30357人。
じつに入場者の約8割が、女性で占められたのである。
近年はカープ女子やオリ姫といった「野球女子」の存在がすっかり定着したおかげで、「野球はオジサンの見るスポーツ」という向きも随分と変わってきた。
ホークスを応援する女性ファンの総称「タカガール」たちは、全国的知名度はやや劣っても、その熱はまったく負けていないのだ。
'06年、前身のイベントは「女子高生デー」だった。
タカガールデーは今年で4年目を迎えた一大イベントだ。
昨年までの女性動員実績も、非常に高い。
'14年 28450人<観衆38561人・満員>
'15年 28074人<観衆38500人・満員>
'16年 29507人<観衆38500人・満員>
タカガールデー当日は、オリジナルデザインのピンクユニフォームが女性限定で無料配布され、これが爆発的人気を呼んだ。また、タカガール限定のグッズも多数発売されたり、球場コンコースには女性向けの飲食物も特別に用意されたり、球団は徹底して女性が主役となる一日を演出する。
このイベント、前身を含めればもう10年以上の実績になる。'06年、母の日に近い一日を選んで「女子高生デー」がスタートし、それが継続されてきた。