毎試合、異質なプレッシャーの中で戦っている。

「ボランチとして手応えを掴み始めた中での左サイドバック。最初は戸惑いましたし、今こうして5試合も消化しているのに、左サイドバックとしてはまだあんまり目に見える変化は無いんです。本来ならば、もっと（左サイドバックとして）出来ることを増やさないといけないのですが……」

　与えられたポジションも完璧にこなして、チームの勝利に貢献する。黒子としての矜持が果たせていない自分に対する苛立ちもあった。

「個人的には凄く良い経験をさせてもらっている。でもチームとして結果が出ていないという複雑な想いを抱かざるを得ない。毎試合、毎試合、異質なプレッシャーの中で戦っている。これがこれまでの（リーグ）10試合の感想です」

　そして、三浦監督の休養発表である。もしかしたら原はこのニュースも「自分のせいで、監督まで休養に追い込んでしまった」と感じているかもしれない。

　ルーキーイヤーでありながら、彼はとてつもなく大きな重圧と責任を背負って、日々を過ごしている。もはやそこには自分がルーキーであることを考える余地は1つもない。

「U-20W杯では頭を切り替えて責任を持って戦いたい」

　だからこそ彼にとって、このタイミングで迎えるU-20W杯は、大きな転機となるのでは無いだろうか。背負いすぎてしまった重責から一旦解き放たれ、同じ志を抱いた同年代の選手達と共に、世界の強者達に純粋に向かっていく。

　もしこのままリーグ戦を戦っていたら、いつしか彼は使命という名の重責に押しつぶされてしまうかもしれない。U-20W杯に臨むことで一度、頭の中をリフレッシュさせ、世界という大きな刺激を経験してから、Jリーガーとしての日常に戻る。その過程を経たとき、彼自身の中に新たな客観性が生まれてくるはずだ。それが背負いすぎた重責から彼を救い出す、唯一かつ最良の方法であると筆者は考える。

「U-20代表ではボランチでプレーすると思うし、やるべきことも違うので、頭を切り替えて責任を持って戦いたい。新潟に戻ればポジション争いがイチから始まると思っていますし、帰って来て自分のポジションがあるとは思っていないからこそ、行くからには、いろんなものを吸収して帰ってきたい。攻撃も守備もより幅を広げて、それを今後の自分にうまく活かしていきたいです」

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