ぶら野球BACK NUMBER
球場の大クスノキ、借景の桜島!?
熊本と鹿児島を堪能した野球ぶらり旅。
posted2017/04/29 11:30
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
好きな野球チームを追って、日本各地をぶら野球。目指すは「大人のひとり修学旅行」である。
そんなコンセプトで始まった本連載。今回向かう遠征先は4月18日(火)の熊本藤崎台県営野球場、19日(水)に鹿児島県立鴨池野球場で行われる巨人とヤクルトの九州シリーズだ。
昨年のこの時期は地震直後で開催できず、熊本では2006年8月以来11年ぶりの巨人戦。もちろん自分も両球場とも初めて訪れる。野球に食と見知らぬ土地で未知との出会い。試合後はどさくさにまぎれて夜の街へ。
行くぞ、2泊3日の九州遠征!
安さより質、理想は“大人の野球遠征”。
前回はオープン戦が行われた春の沖縄を満喫した一方で、ひとつだけ反省点がある。
格安航空券、カプセルホテルと探しているうちに気が付けば、ぶら野球じゃなく質よりも安さを求めるガチ野球のような雰囲気になっていた。
いい大人なんだから、もう少し精神的にも金銭的にも余裕が欲しい。できれば成田空港からの格安航空券じゃなく、アクセスしやすい羽田空港から昼過ぎの飛行機でゆっくり現地に向かいたい――。
学生の頃は、目の前に膨大な時間があったけど、とにかく金欠だった。それが今は社会人になって財布のことを気にせずに定食屋に入れるようになった代わりに、毎日時間に追われている。
働いてまた働く。
これでいいのかな俺の人生……なんつって。
のんびり旅行のつもりが、いきなり朝寝坊!!
だからこそ、たまのひとり旅くらいのんびりしよう!
事前に12時15分羽田発、14時過ぎ熊本着の航空券を購入してひと眠り……と思ったら、当日に目が覚めたら朝10時だった。
やばい、このままじゃ寝坊の練習遅刻で二軍落ちした中井大介の二の舞だ!
15分で荷物をリュックに詰め込み家を出ると駅までダッシュ。汗だくになりながら、なんとか搭乗手続きにも間に合い、機内に入ると前方の席には解説者の水野雄仁氏がいた。