野球善哉BACK NUMBER
センバツV候補に屈した2人のエース。
桜井周斗と山口翔、視線はもう夏へ。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2017/03/22 11:30
ナインから励まされ、9イニングを投げ切った山口。9失点の悔しさは、最後の夏に晴らすと心に誓っている。
夏には“別人の山口”となって甲子園に戻ってくる!
それでも山口は前を向く。
「あれがセンバツで見た山口かと、“山口じゃないみたいだ”と言われるくらいに変化した姿になって、夏に戻ってきたい」
優勝候補の前に及ばなかった2人の投手。
ともに、前評判を覆すことはできなかったが、かたや自信をつかみ、もう一方は力を発揮することなく聖地を去っていった。
現時点だけで評価すれば、敗者になった彼らにはつらい1日だったかもしれない。
しかし、人生は経験を糧にどういう道を歩んでいくかだ。
優勝候補に敗れたものの、特筆した才能を持つ2投手。この日の経験が成長過程の敗戦に過ぎなかったと、大成していくことを期待したい。